コラム

中小企業のWeb活用は何から見直す?|ホームページを作り直す前に考えたいマーケティングの基本

中小企業のWeb活用は何から見直す?|ホームページを作り直す前に考えたいマーケティングの基本

中小企業のWeb活用・ホームページ改善

問い合わせが来ないときほど、すぐ作り直さない

ホームページはある。しかし、問い合わせや見積依頼につながっていない。何年も前に作ったため、見た目も少し古く感じる。そうなると、「全面的にリニューアルした方がよいのではないか」と考えやすくなります。

実際に、作り直した方がよいサイトもあります。ただし、「問い合わせが来ない」という現象だけでは、原因がデザインや古さにあるとは判断できません。そもそも見られていないのか。見られていても、自社の強みやサービスが伝わっていないのか。相談したい人が、次に何をすればよいか分からないのか。フォームの途中で離脱しているのか。問い合わせ後の対応で機会を逃しているのか。確認する場所は複数あります。

既存サイトには、これまで作ってきたページ、実績、ブログ記事、商品情報、検索からの評価、外部サイトからのリンク、顧客が使い慣れたURLなどが蓄積されている場合があります。見た目だけを理由にすべてを入れ替えると、残すべき資産まで失いかねません。

新しく作る前に、今あるものをマーケティングの視点で見直す。誰に見てもらい、何を伝え、なぜ選んでもらい、次にどんな行動をしてほしいのかを整理する。そのうえで、文章、写真、順番、実績、FAQ、CTA、フォームなど、必要なところから改善します。

この記事では、ホームページ制作の手順ではなく、既存のWebサイトを事業に役立つ道具として育てるための見方と、30日で始められる見直し方を説明します。

「問い合わせが来ない=リニューアル」とは限らない

ホームページの成果が出ていないとき、目に見えやすいのはデザインです。色や写真、レイアウトは比較しやすいため、古く見えることが原因だと考えたくなります。しかし、見た目を新しくしても、見込み客が知りたい情報や問い合わせまでの流れが変わらなければ、同じ課題が残ることがあります。

反対に、デザインを大きく変えなくても、最初の見出しを顧客の悩みに合わせる、主力サービスの説明を具体的にする、料金の考え方を載せる、実績や担当者を見せる、問い合わせボタンを分かりやすくする、といった改善で反応が変わる可能性があります。

図解1|問い合わせが来ないときの確認順序
問い合わせが来ない
アクセスそもそも見られているか
内容相手の疑問へ答えているか
信頼実績や担当者が分かるか
導線次の行動が分かるか
フォーム無理なく送信できるか
原因を確認必要な部分を改善構造的な問題なら再構築

デザインも確認項目の一つです。ただし、症状だけを見て最初から全面リニューアルに決めないことが、既存資産を守ることにつながります。

そもそも見られていない

検索結果に出ていない、Googleビジネスプロフィールの情報が整っていない、SNSからホームページへつながっていないなど、入口に問題がある状態です。この場合、サイト内のデザインだけを直しても、訪れる人は増えません。どの検索語で表示されているか、どのページへ人が来ているか、店舗型ならGoogle検索やGoogleマップで情報が見つかるかを確認します。

見られているが、内容が伝わっていない

アクセスはあるのに相談へ進まない場合、何をしてくれる会社なのか、誰向けなのか、他社との違いは何かが伝わっていない可能性があります。社内では当たり前の専門用語やサービス名も、初めて見る人には意味が分からないことがあります。

興味は持たれているが、不安が残っている

サービスに関心があっても、料金、実績、担当者、対応地域、進め方、契約条件、よくある質問が見えなければ、問い合わせをためらいます。「詳しくはお問い合わせください」だけでは、問い合わせる前に判断したい人へ十分な材料を渡せません。

行動したいが、方法が分からない

相談ボタンが見つからない、電話番号が画像になっていてタップできない、LINEや予約の入口が別ページに埋もれているなど、行動方法が分かりにくい状態です。ページを読み終えた場所で、次にできることが自然に示されているかを見ます。

フォームや問い合わせ後の対応で止まっている

フォームの必須項目が多すぎる、スマートフォンで入力しづらい、エラーの場所が分からない、送信後の画面が表示されない、自動返信が届かないといった問題もあります。また、正常に届いていても返信まで何日もかかれば、見込み客が別の会社へ相談することがあります。Webサイトの問題は、画面の中だけとは限りません。

Web制作とWebマーケティングは役割が違う

Web制作会社は、デザイン、コーディング、CMS構築、システム連携などの専門性を持っています。目的や要件が決まっていれば、それを形にする重要なパートナーです。制作会社を選ぶことや、きれいなサイトを作ることが悪いわけではありません。

一方で、「サイトを作ること」と「サイトを通じて顧客に選ばれること」は同じではありません。マーケティングでは、誰に、何を、どんな理由で選んでもらい、どこで知ってもらい、何を見てもらい、どんな行動へ進んでもらうかを考えます。ホームページは、その流れを担う一つの場所です。

図解2|Webサイトをマーケティングの流れで見る
  1. 01誰に顧客・見込み客
  2. 02何を商品・サービス・価値
  3. 03なぜ選ぶ強み・実績・安心材料
  4. 04どこで知る検索・SNS・紹介・地図
  5. 05何を見るページ・事例・料金・FAQ
  6. 06何をする相談・電話・予約・購入

制作へ依頼する前にこの流れを整理すると、必要なページ、文章、機能、計測方法を具体的に伝えやすくなります。

例えば、問い合わせ不足の原因が「料金や事例がなく、頼める会社か判断できないこと」なら、全面リニューアルより先に料金ページや実績ページを整える選択があります。店舗への来店を増やしたいのに営業時間や地図が古いなら、Googleビジネスプロフィールと店舗ページを直す方が先かもしれません。

何を解決したいかが曖昧なまま制作へ入ると、「新しくなったが、誰に何を伝えるサイトかは以前と同じ」という結果になりやすくなります。制作の前に事業と顧客を整理することは、制作会社へ適切な依頼をするためにも役立ちます。

最初に「誰に見てもらうのか」を決める

ホームページの文章が「弊社は○○年に創業し……」から始まること自体が間違いではありません。会社の歴史は信頼材料になります。ただし、検索やSNSから初めて訪れた人は、最初に「自分の問題を解決できる会社か」を知りたい場合があります。

例えば「テント クリーニング」で検索した人なら、会社の沿革より先に、自分のテントを洗えるのか、料金はいくらか、どのくらいの日数がかかるか、どう送ればよいか、どんな汚れに対応できるかを知りたいでしょう。その疑問へ答えた後に、運営会社の経験や考え方を示すと、会社情報が安心材料として働きます。

法人向けサービスでも同じです。経営者、現場責任者、購買担当者では、知りたいことや判断条件が異なります。一つのページですべての人へ同じ順番で説明するのではなく、主な読者とその人が置かれている状況を決めます。

図解3|会社が伝えたいことと、顧客が知りたいことを重ねる

会社が伝えたいこと

自社について

  • 沿革・理念
  • 技術・設備
  • 商品・サービス
  • 得意分野

顧客が知りたいこと

自分の判断について

  • 悩みを解決できるか
  • 価格や条件は合うか
  • 実績があるか
  • 安心して頼めるか
  • どう依頼するか

両方が重なるページへ顧客の疑問に答えながら、自社の価値と選ばれる理由を伝える

SEOは、検索する人の疑問を理解することから始める

SEOを、狙いたいキーワードを文章へ何度も入れる作業だと考えると、読みづらいページになります。確認したいのは、その言葉で検索している人が、何を知り、何を判断しようとしているかです。

例えば、「○○ 買取」「○○ 中古 相場」「○○ 売り方」は、同じ商品に関係する検索でも、求める情報が異なります。すぐ売りたい人、価格を調べたい人、方法を比較したい人へ、一つのサービスページだけで同じ説明をしても十分に答えられない場合があります。

検索される疑問に応じて、サービスページ、FAQ、実績記事、比較記事、解説記事、商品ページの役割を分けます。主力サービスのページは申込み判断に必要な情報をまとめ、解説記事は検討初期の疑問へ答え、実績記事は具体的な対応力を示す。そのページ同士を自然な内部リンクでつなぎます。

GoogleのSEOスターターガイドも、SEOを検索エンジンだけのための操作ではなく、検索エンジンが内容を理解し、利用者がサイトを見つけて訪れるかを判断しやすくする取り組みとして説明しています。検索順位を上げる裏技ではなく、顧客へ役立つ情報を分かりやすく届けることが土台です。

検索結果の変化には時間がかかる

文章やページを直しても、翌日に順位や問い合わせが変わるとは限りません。Googleは、変更が検索結果へ反映されるまで数時間の場合も数か月の場合もあり、一般には数週間待って影響を確認するよう案内しています。1週間だけで成功・失敗を決めず、公開日と変更内容を記録し、一定期間後に検索表示やクリックを確認します。

既存ページをマーケティングの視点で棚卸しする

サイト全体を一度に直そうとすると、確認項目が増え、結局どこから手をつけるか分からなくなります。まず、トップページ、主力サービス、料金、実績、FAQ、会社紹介、問い合わせなど、顧客の判断に近いページから見ます。ECがある場合は、売れ筋商品や入口になっているカテゴリも対象にします。

一つずつ、誰に見せるページか、何を知ってほしいか、顧客は何を知りたいか、次に何をしてほしいか、その行動へ進めるかを書き出します。ページがあるかどうかではなく、役割を果たしているかを確認します。

ページ顧客が確認したいこと主な見直し項目
トップページ何をしてくれる会社か、自分に関係があるか最初の見出し、対象顧客、主力サービス、次の入口
サービス何を、どこまで、どのように支援するか対象、課題、内容、進め方、対象外、CTA
料金予算に合うか、何が含まれるか価格、条件、追加費用、プラン差、見積方法
実績・事例自社に近い相談へ対応できるか相談内容、対応、条件、工夫、確認できる成果
FAQ問い合わせ前の不安を解消できるか料金、期間、地域、準備物、契約、対応範囲
問い合わせ迷わず、負担なく連絡できるか項目数、入力性、エラー、送信完了、自動返信

この棚卸しは、業務改善で仕事の開始から終了までを見る考え方と共通します。サイト上の顧客導線を整理する方法と、社内の仕事を整理する方法は切り離せません。業務の棚卸しについては、「中小企業の業務改善は何から始める?」でも詳しく説明しています。

デザインより前に、文章・情報・順番を見る

デザインは、情報を読みやすくし、会社の印象を伝え、行動を助けるために欠かせません。ただし、伝える内容が曖昧なまま色や写真だけを変えても、顧客が相談する理由までは生まれません。

トップページなら、最初の画面で誰のどんな課題に応えるのかが分かるか。サービスページなら、何をしてくれるか、誰向けか、どんな悩みを扱うか、実績はあるか、料金や申込み方法は分かるか。画像を変える前に、そのページで伝える情報と順番を確認します。

文章だけで長く説明する必要もありません。具体的な写真、図、料金表、対応の流れ、よくある質問など、判断に合う形へ置き換えます。大切なのは装飾を増やすことではなく、迷いを減らすことです。

強みは、顧客が判断できる材料へ変える

「地域密着」「丁寧な対応」「高品質」「安心」「豊富な実績」は、多くの会社が使う言葉です。事実であっても、その言葉だけでは他社との違いが伝わりにくい場合があります。

強みは、具体的な実績、数字、事例、写真、作業工程、経験、専門性、対応範囲などへ置き換えます。例えば「丁寧」なら、相談時に何を確認するのか、作業中にどのような報告をするのか、納品後にどこまで対応するのかを示します。「高品質」なら、どの工程や確認方法が品質につながるかを説明します。

成果数値や顧客の声がなければ、無理に作る必要はありません。実際の仕事の進め方、担当者の経験、対応できる条件、できないことを正直に示すことも信頼材料です。架空の実績や口コミは、長期的な信頼を損ないます。

実績ページを、顧客の判断材料として育てる

実績を「○○を納品しました」というニュースだけで終わらせず、どんな相談だったか、何を行ったか、どのような条件や制約があったか、どこを工夫したかを整理します。読者は有名企業名を見るだけでなく、「自社と似た相談にも対応できそうか」を判断しています。

公開できる成果数値がない場合は、課題、対応範囲、考え方、進め方を中心にします。守秘義務があるなら、公開可能な範囲を顧客と確認します。実績記事が増えると、サービスページから具体例へ案内でき、検索される細かな疑問にも答えやすくなります。

CTAは「次にできること」を分かりやすくする

CTAは、ページを読んだ人へ次の行動を示す場所です。問い合わせ、電話、LINE、予約、見積、購入、資料請求などが該当します。専門用語として覚えるより、「このページを読んだ後、次に何ができるか」と考える方が分かりやすいでしょう。

すべてのページへ大きな「お問い合わせはこちら」を何度も置けばよいわけではありません。まだ情報収集の段階にいる人なら、事例を見る、料金を見る、FAQを読むことも次の行動です。比較が終わり相談を検討している人には、相談方法や所要時間、準備するもの、契約前提ではないことを示すと不安を減らせます。

顧客の段階知りたいこと次の行動の例
課題に気づいた原因や基本的な考え方関連記事・解説記事を読む
選択肢を比較している違い、実績、費用、条件サービス・事例・料金・FAQを見る
相談を検討している相談方法、担当者、進め方無料相談・電話・LINE・予約へ進む
購入を決めている在庫、送料、納期、返品カート・注文フォームへ進む

問い合わせフォームは、Webサイトの最後の接客場所

せっかく相談しようと思っても、会社名、部署名、役職、住所、電話番号、予算、希望時期、詳しい相談内容など、多くの必須項目が並ぶと途中で止まることがあります。最初の相談で本当に必要な項目かを一つずつ確認します。

スマートフォンで入力しやすいか、入力例があるか、エラーの場所と直し方が分かるか、送信ボタンを押した後に完了が分かるか、自動返信が届くか、社内の正しい担当者へ通知されるかも試します。フォームを設置した時点で終わりにせず、定期的に自分で送信して確認します。

Webサイトだけを単独で考えない

現在の顧客接点は、Google検索、Googleマップ、Instagram、Facebook、X、LINE、YouTube、ECモール、自社EC、ホームページなどに分かれています。業態によっては、WebサイトよりGoogleマップやSNSを先に見る人もいます。

それぞれを別々に運用すると、SNSでは興味を持てるのに詳しいサービスが分からない、Googleマップの営業時間と公式サイトが違う、LINEを追加した後の案内がないといった途切れが起きます。顧客がどこから入り、何を確認し、どこで行動を完了するかをつなげて見ます。

図解4|顧客接点を一つの導線として見る
Google検索SNSGoogleマップ広告・紹介
Webサイトサービス・実績・料金・FAQ
問い合わせLINE電話・予約EC購入

Webサイトを必ず中心にする必要はありません。SNSだけで予約が完了する事業、ECモールで購入が完了する事業もあります。自社の顧客行動に合わせて役割を決めます。

SNSは、フォロワー数だけで評価しない

SNSで興味を持ち、Webサイトで詳しい内容や実績を確認し、問い合わせる流れもあります。反対に、SNS上のメッセージや予約機能だけで行動が完了する事業もあります。何人フォロワーが増えたかだけでなく、その後にどの行動へ進んでほしいかを決め、プロフィールや投稿から迷わず移動できるようにします。

GoogleビジネスプロフィールもWeb導線の一部

店舗や地域に訪問する事業では、Google検索やGoogleマップから、写真、営業時間、メニュー、口コミ、Webサイト、電話へ進む人がいます。ホームページを直しても、ビジネスプロフィールの営業時間や住所が古ければ、来店機会を逃すかもしれません。

Googleビジネスプロフィールの公式ヘルプでは、検索語、閲覧、電話ボタン、Webサイトリンクなどの反応を確認できると説明しています。Webサイトのアクセスだけでなく、検索やマップ上で行動が完了している可能性も含めて見ます。

LINEは、追加された後の案内まで考える

「LINEで相談できます」と書いていても、追加後に何を送ればよいか分からなければ会話は始まりません。相談したい内容、写真の送り方、返信時間の目安、予約方法などを案内します。友だち数を増やすだけでなく、問い合わせ、再来店、予約、購入後の案内など、役割を決めます。

ECサイトも、作れば売れるわけではない

ECサイトでは、店舗で店員が説明していた内容を、商品ページが代わりに伝えます。商品名と写真だけでは、初めて買う人が判断できません。価格、在庫、送料、納期、サイズ、素材、使い方、他商品との違い、返品条件、レビュー、購入方法など、商品に応じた情報が必要です。

アクセスが少ないのか、商品ページは見られているがカートへ入らないのか、カートへ入るが購入完了しないのかで、改善する場所は違います。商品登録が遅れて売れ筋を出せない、在庫が分からない、問い合わせ対応が遅いといった業務側の問題もあります。Webマーケティングと業務改善を分けずに確認します。

自社ECとモールは、役割を分けて使う

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、メルカリなどのモールは、すでに多くの利用者がいて比較されやすい一方、手数料や表示方法などの条件があります。自社ECは、ブランドや商品の背景を自由に伝え、顧客との関係を作りやすい一方、自社で入口を作らなければなりません。

どちらか一方を正解にせず、商品、顧客、粗利、運用体制、リピートの考え方に合わせて組み合わせます。売上改善を顧客、商品、売り方、現場から考える方法は、「売上が伸びない会社が最初に確認すべきこと」でも整理しています。

既存サイトに蓄積された資産を確認する

長く運用してきたサイトには、見た目からは分かりにくい資産があります。検索から読まれている記事、他サイトからリンクされているページ、顧客がブックマークしているURL、営業担当者が案内に使う資料ページ、過去の実績、商品情報などです。

リニューアルでURLを変え、以前のページから新しいページへの転送を設定しなければ、検索や外部リンクから来た人が404ページへ着くことがあります。本文を大幅に減らせば、以前は答えられていた検索の疑問へ答えられなくなる場合もあります。アクセス解析やSearch Console、社内での使われ方を確認し、残すもの、統合するもの、直すもの、終了するものを分けます。

Googleの内部リンクに関する公式資料では、利用者とGoogleがサイトの内容を理解し、関連ページを見つけやすくするために、文脈に沿った内部リンクを推奨しています。単にメニューを移すのではなく、読者が次に必要とする情報へつながっているかを確認します。

作り直した方がよいケースもある

既存サイトを活かすことは、何があっても部分修正で済ませるという意味ではありません。土台に大きな問題があれば、修正を積み重ねるより再構築した方が安全で、運用しやすい場合があります。

スマートフォン対応は、利用者のためだけでなく検索上も確認が必要です。Googleはモバイル版の内容を主にインデックスへ使用し、レスポンシブWebデザインを実装・維持しやすい方法として推奨しています。PCだけで確認せず、実際のスマートフォンで主要ページとフォームを操作します。

作り直す場合も、既存URL、検索流入、ページ内容、内部リンク、画像、構造化データなどを移行計画へ含めます。「全部新しくする」ではなく、「残す資産を新しい土台へ安全に移す」と考えます。

数字を見る。ただし、PVだけで判断しない

Web改善では、検索表示、クリック、アクセス、流入ページ、CTAクリック、問い合わせ、電話、LINE、予約、購入などを確認します。すべての数字を追うのではなく、そのページの役割に合う指標を決めます。

例えば、100人が見て5件の相談につながるページと、1万人が見ても相談がないページでは、事業上の意味が異なります。一方、検討初期の解説記事は、直接問い合わせがなくてもサービスページへ送る役割を果たしているかもしれません。ページごとの目的を決めてから数字を読みます。

Google Search Consoleの検索パフォーマンスでは、検索結果での表示回数、クリック数、クリック率、掲載順位を、検索語やページなどに分けて確認できます。Google Analyticsの公式ヘルプでは、問い合わせ送信など事業上重要な行動を「キーイベント」として計測できます。

数字が少ない段階では、一回の問い合わせで割合が大きく変わります。数値だけで断定せず、「問い合わせ前にどのページを見たか」「電話で何を聞かれたか」「営業担当者が説明しにくい部分はどこか」といった現場の情報も合わせます。

Webサイトは、公開してから育てる

ホームページを完成品として扱うと、公開後は更新のお知らせだけになりやすくなります。しかし、事業、顧客、商品、よく受ける質問は変わります。営業資料や売場と同じように、使いながら見直す道具として考えます。

実績を追加する。問い合わせで何度も聞かれることをFAQにする。売れ筋商品の写真や説明を直す。検索される疑問に答える記事を作る。CTAを変える。問い合わせ後の返信を改善する。小さな変更でも、目的と結果を記録すれば次の判断材料になります。

図解5|Webサイトを育てる改善サイクル
  1. 01公開・運用今あるページを使う
  2. 02見る数字と顧客の反応を見る
  3. 03直す一つの仮説を試す
  4. 04結果を見る変化と現場の声を確認
  5. 05また直す残す・修正・終了を判断

完成を目指して止まるのではなく、事業と顧客に合わせて更新する

生成AIは下書きや整理を助けるが、顧客理解は丸投げしない

生成AIは、FAQの候補を出す、文章を読みやすく整える、複数の見出し案を比較する、アクセスデータの見方を相談するといった補助に使えます。ただし、自社の顧客が何に困り、どの実績を信頼し、どの言葉で相談するかは、実際の問い合わせや接客、営業、現場から確認します。

AIへ「問い合わせが増える文章を書いて」と丸投げすると、整っていても自社の事実や違いが薄い文章になりがちです。人が顧客、目的、事実、優先順位を決め、AIに整理や比較を手伝ってもらいます。実務へつなげる方法は、「中小企業の生成AI活用は何から始める?」でも説明しています。

30日で既存Webサイトを見直す

サイト全体を一度に完成させようとせず、30日で主要ページを確認し、一つの改善を試します。1か月で問い合わせ増加を断定するのではなく、次に検証する仮説を作ることを目標にします。

図解6|30日で始める既存Webサイトの見直し
  1. 1週目主要ページを確認トップ、主力サービス、実績、料金、問い合わせの役割を書き出す。
  2. 2週目顧客目線で見る内容、価格、実績、安心材料、次の行動が分かるか確認する。
  3. 3週目一つだけ改善見出し、説明、実績、FAQ、CTA、フォームなどから一つ選ぶ。
  4. 4週目反応を確認アクセス、クリック、相談、社内・顧客の声を見て次の仮説を作る。

次の30日へ効果を断定せず、続ける・直す・別の課題を見るを決める

1週目|主要ページの役割を書き出す

トップページ、主力サービス、実績、料金、問い合わせを開き、誰向けか、何を伝えているか、次にどこへ進んでほしいかを一文で書きます。アクセス解析があれば、実際に入口になっているページも確認します。

2週目|顧客になったつもりで確認する

何をしてくれる会社か、自分に合うか、費用や条件は分かるか、信頼できる根拠はあるか、どう相談すればよいかを見ます。社内の人だけでなく、事業を詳しく知らない人に見てもらうと、説明不足や専門用語へ気づきやすくなります。

3週目|一つだけ改善する

ファーストビューの文章、サービス説明、実績、FAQ、CTA、フォームの項目などから、効果が見込めて実行しやすいものを一つ選びます。複数を同時に変えると、何が反応へ影響したか分かりにくくなります。

4週目|数字と現場の反応を見る

アクセス、CTAクリック、問い合わせだけでなく、社内で説明しやすくなったか、顧客から同じ質問が減ったかも確認します。検索からの評価は時間がかかるため、早すぎる結論を避けます。変更日、変更内容、見た数字、気づきを残し、次の一つを決めます。

社内だけで判断しにくいときは、制作前に課題を整理する

毎日自社のサイトを見ていると、業界用語や情報の順番が当たり前になり、初めて訪れる人の迷いへ気づきにくくなります。また、制作会社、SEO会社、広告会社、SNS運用会社から異なる提案を受け、何を優先すべきか判断できないこともあります。

外部の視点を使う価値は、すぐ新しいサイトを発注することではありません。事業の目的、顧客、既存ページ、検索流入、問い合わせ、社内の運用を一緒に見て、今あるものを直すのか、ページを足すのか、集客経路を整えるのか、再構築するのかを分けることにあります。

キャンバスM&Fは、ホームページ制作だけを切り離さず、マーケティング、事業、現場、Web・EC、業務改善の視点から、サイトが事業の中でどう機能しているかを確認します。制作や専門的な実装が必要な場合は、社内担当者や外部専門パートナーと役割を分けながら進めます。

まとめ|新しく作る前に、今あるサイトを顧客目線で見る

ホームページが古く見えることと、問い合わせが来ない原因は同じとは限りません。まず、顧客がどこから訪れ、何を知り、何を不安に感じ、どこで行動を止めているかを確認します。

  1. 症状と原因を分ける — 問い合わせ不足を、アクセス、内容、信頼、導線、フォームに分ける
  2. 顧客を決める — 誰に見てもらい、その人が何を知りたいかを確認する
  3. 既存資産を見る — ページ、実績、記事、URL、検索評価、外部リンクを不用意に捨てない
  4. 情報と順番を直す — デザインの前に、文章、写真、実績、料金、FAQ、CTAを確認する
  5. 顧客接点をつなぐ — 検索、SNS、Googleマップ、LINE、ECの役割を整理する
  6. 数字と現場を見る — PVだけでなく、クリック、相談、購入、顧客と社内の声を見る
  7. 一つずつ育てる — 小さく直し、結果を確認し、次の改善へつなげる
  8. 再構築も公平に判断する — 土台に問題がある場合は、資産を守りながら作り直す

Webサイトは、納品された制作物で終わるものではありません。顧客と会社をつなぐ営業・販促の道具として使い、事業の変化に合わせて育てていくものです。新しく作る前に、今あるものをマーケティングの視点で見直す。そこから、直すべき場所と残すべき資産が見えてきます。

初回無料相談

新しいサイトを作る前に、今のWebサイトを一度一緒に見てみませんか

キャンバスM&Fでは、福井県を中心とする中小企業の経営・事業・業務改善について、初回無料相談を行っています。

「ホームページはあるが問い合わせが来ない」「リニューアルすべきか判断できない」「制作会社へ相談する前に課題を整理したい」「SEO、SNS、Googleマップ、ECがつながっていない」といった、相談内容がまだ整理できていない段階でも構いません。

新規制作を前提にせず、既存サイトと顧客導線を確認し、残すもの、直すもの、追加するもの、再構築を検討するものを一緒に整理します。

契約をその場で決めていただく必要はありません。

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