「うちは良い商品を扱っているのに、なぜお客様が来てくれないのか?」
25年間、小売業界の現場を歩き続けてきた私のもとには、このような切実な声が日々寄せられています。リユース業界で事業を営み、商店街の一角で創業したcanvas から始まって、今ではスノーピークサーキュレーションコアの立ち上げ支援まで経験させていただいた私だからこそ、地方の専門店や老舗の経営者の方々の痛みがよくわかります。
この悩みは、決して経営努力が足りないからではありません。むしろ、商品への愛情と顧客への誠実さを持った優良店ほど、現在の市場環境で苦戦を強いられているのが現実です。私自身、今まさにその厳しさを身をもって実感しています。
私が見てきた地方経営者の現実
商店街でcanvasを創業した時、私は最初から「全国規模で戦う」という想いを持っていました。地方だから、小規模だからといって妥協したくなかった。その結果、スノーピークから声をかけていただくまでに成長できました。
しかし、この25年間で多くの地方の優良店が姿を消していく現実も見てきました。技術も知識も人柄も素晴らしい経営者の方々が、時代の変化についていけずに廃業を決断される姿を何度も目の当たりにしてきました。
地方の中小企業が直面する3つの致命的な壁
第一の壁:スピード感の決定的な欠如
スノーピークグループに入って最も痛感したのは、地方と都市部のスピード感の圧倒的な違いです。情報収集から意思決定、実行までのスピードが、地方の中小企業は都市部と比較して致命的に遅いのです。
例えば、新しいマーケティング手法の情報が出た時、都市部の企業は1週間で検証を始めますが、地方では検討に1ヶ月、決断にさらに1ヶ月かかることも珍しくありません。この3ヶ月の差が、現在の情報社会では致命傷になってしまいます。
来店客数の減少も、この問題と直結しています。コロナ禍を経て消費者の行動は劇的に変化しましたが、対応策を講じるまでに時間がかかりすぎて、気がつけば月間来店客数が2019年比で30〜50%減少している店舗が続出しています。
第二の壁:大手ECとの価格競争という錯覚
「Amazon、楽天の方が安いから客が来ない」という声をよく聞きますが、これは本質的な問題ではありません。価格で勝負している限り、確実に負けます。物流コストの最適化と大量仕入れによるスケールメリットで、小規模店舗が太刀打ちできるはずがないからです。
重要なのは、価格競争から脱却することです。私がCanvasで実践してきたのは、「他では買えない価値」の提供でした。リユース品の魅力は、単に安いことではありません。今では手に入らないアイテム、一点もののストーリー性、そして何より「想い」を込めた査定と販売です。
第三の壁:利益構造の根本的な問題
客単価の低下は症状であって、原因ではありません。根本的な問題は、「一度きりの販売」に依存した旧来のビジネスモデルです。新品を売って終わり、というサイクルでは、継続的な収益確保が困難になるのは当然です。
なぜ「良い店」ほど変化できないのか
皮肉なことに、これまで成功してきた優良店ほど、変化への適応が困難です。私自身、Canvasでは「弱者の戦略」として一点突破を武器にしてきましたが、スノーピークサーキュレーションコアでは「強者の戦略」が求められました。このギャップに苦しんだ時期があったからこそ、多くの経営者の方の気持ちが理解できます。
成功体験が、新しい挑戦への最大の障壁になってしまうのです。
地方だからこその隠れた武器
しかし、地方の中小企業には都市部にはない強みがあります。リソースでは劣るかもしれませんが、横のつながりや人脈は地方の方が圧倒的に強いのです。
そして何より、小回りが効くという最大の武器があります。大企業のような時間のかかる稟議システムは不要で、社長判断で即座に実行に移せる機動力は、実は現代のビジネス環境で非常に有利なのです。
ただし、多くの経営者がこの優位性に気づいていません。
ITツールとAI活用で世界と戦える時代
「うちはローカルビジネスだから、ネットは関係ない」と考えている方がいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。現在は、地方でも世界中を舞台に戦える時代になっています。
私がcanvasを商店街から全国規模に成長させることができたのも、ITツールとネット活用があったからこそです。WASABI SWITCHのような一元管理システムを活用すれば、1人で楽天、Yahoo!、メルカリ、Shopifyなど複数チャネルを同時運用することも可能です。
AIの活用も、もはや大企業だけの話ではありません。適切なツールを使えば、小規模事業者でも効率的な顧客管理、在庫管理、マーケティングが実現できます。
循環型ビジネスモデルへの転換
私がスノーピークサーキュレーションコアの立ち上げ支援を通じて確信したのは、「一度きりの販売」から「循環型ビジネス」への転換こそが生き残りの鍵だということです。
従来の「新品販売→終了」というモデルから、「新品販売→使用→回収→整備→再販→リピート購入促進」という循環を作ることで、同じ顧客から継続的な収益を得ることが可能になります。
特に重要なのは、単なる「中古品販売」ではなく「ショップ公式リユース」として展開することです。店主の専門知識と顧客との信頼関係を活かした品質保証により、ブランド価値を守りながら新たな収益源を創出できます。
想い出査定という差別化戦略
25年の現場経験から生まれた「想い出査定」は、価格競争を完全に超越した価値提供です。商品の状態や市場価格だけでなく、お客様との思い出や使用状況を丁寧にヒアリングし、その「想い」を次の使用者につなげていく。
子供との思い出が詰まったキャンプ用品、亡くなられた方の遺品として託されたアウトドアギア。こうした商品一つ一つに込められた想いを大切にする査定は、大手では絶対に真似できない、地方の専門店ならではの強みです。
今、行動を起こすべき理由
正直に申し上げると、私自身も厳しい状況にあります。しかし、だからこそ確信を持って言えるのです。必ず道は開けると。
25年間この業界で生き抜いてきた経験、商店街から全国規模への成長を実現した実績、そしてスノーピークという大手企業での学びを活かして、地方で戦っている中小企業の皆さんと一緒に新しい道を切り開いていきたい。
地方には地方の戦い方があります。小規模には小規模の強みがあります。そして今の時代だからこそ活用できるツールと手法があります。
一緒に戦いませんか
もしあなたが地方で専門店を経営され、現在の状況に危機感を抱いているなら、一人で悩まないでください。同じ痛みを知っている私と一緒に、新しい可能性を探ってみませんか。
スピード感を持って、具体的な行動計画を立て、ITツールを活用した効率的な運営を実現し、循環型ビジネスモデルで継続的な収益を確保する。これらは全て実現可能なことです。
まずは30分の無料相談から。あなたの現状を聞かせてください。そして一緒に、必ず存在するはずの突破口を見つけましょう。
地方だからこそ、小規模だからこそできることがあります。あきらめる必要は、まったくありません。
地方専門店経営の無料相談実施中
対象:年商1億円未満の地方専門店・EC事業者様
時間:30分(オンライン・電話どちらでも対応)
内容:現状診断、改善点の洗い出し、具体的なアクションプラン提案
