「売れない」と思ったとき、最初にやるべきこと
売上が伸び悩んでいるとき、まずやるべきは「外部要因」「内部要因」を区別することです。外部要因とは市場環境や競合動向、季節変動など自社ではコントロールしづらい要素。一方、内部要因は商品構成や価格戦略、接客対応、販路の選択といった自社運営に起因する課題です。まずは現状把握として、簡易的でも構わないので「外部/内部」に分類し、優先順位をつけましょう。これにより、手を動かすべき改善ポイントが明確になります。
3つの視点でチェック:顧客・商品・導線
1. 顧客(ターゲット)の理解
想定顧客は本当に来店・購入しているか?年齢層や購買動機、来店頻度などをアンケートやヒアリングで把握します。ズレがあれば、ペルソナ設計の見直しを行い、販促メッセージや販路選定を再調整しましょう。
2. 商品(サービス)の魅力
主力商品・サービスは競合優位性があるか、価格帯は適切かを確認します。売れ筋とそうでない商品の差をデータで可視化し、不要な在庫を整理するとともに、強み商品の魅力訴求を強化しましょう。
3. 導線(購買プロセス)のスムーズさ
購買までのステップ数が多すぎると離脱率が上がります。店頭なら動線の回遊性、ECならカートまでのクリック数やページ読み込み速度をチェック。簡易改善としてレイアウト変更やワンクリック注文導入を検討してください。
簡単セルフ診断シート
以下の4項目をチェックし、「はい・いいえ」で自己診断してみましょう。合計「はい」が2つ以下の場合、その領域の改善優先度が高いサインです。
- 想定顧客の属性やニーズを定期的に見直している → はい/いいえ
- 売れ筋商品とそれ以外の販売数を月次で分析している → はい/いいえ
- 店頭・ECいずれも「購入までの動線設計」をレビューしたことがある → はい/いいえ
- 販促施策(チラシ・SNS・メールなど)の効果測定を行っている → はい/いいえ
(セルフ診断シートは第3回でPDF配布予定)
第3回に向けて:改善テーマの絞り込み方
次回は「Web・ECの基本」に進みます。その前に、本稿で浮かび上がった課題から「すぐ着手できるテーマ」を一つ選びましょう。例えば「SNS経由の流入増加」「ECメニューの簡略化」「店頭動線の再配置」など、自社リソースで1ヶ月以内に検証可能なものがおすすめです。選んだテーマは第3回の内容に生かしていきましょう。